ブロッコリーの茎は食べられるのでしょうか。実は、普段捨ててしまいがちな太い茎も、花蕾(からい)と同じく食用になる部位です。硬い外皮を取り除けば、中心部分はみずみずしく、ほのかな甘みとシャキシャキした食感を楽しめます。炒め物やスープ、浅漬けなど、さまざまな料理に活用できます。
気になるのは、茎にどれほどの栄養が含まれているのかという点です。農林水産省や環境省は、茎にもビタミンCやβ-カロテンが含まれることを紹介しています。一方、文部科学省の日本食品標準成分表では、花序の栄養成分は掲載されていますが、茎だけのカロリーや食物繊維量を直接比較できる独立した数値は確認できません。2026年の最新の制度的背景も踏まえ、具体的なデータと調理方法を整理します。
【結論】ブロッコリーの茎は食べられる!捨てるのがもったいない理由

ブロッコリーの茎は、花蕾と並ぶ代表的な食用部分です。スーパーで販売されている一般的なブロッコリーは、緑色のつぶつぶした部分だけでなく、その下に続く太い茎も料理に利用できます。
環境省の2024年6月の食品ロス削減特集でも、ブロッコリーの茎を使った料理が紹介されています。料理研究家の島本美由紀氏が、茎の栄養や皮のむき方、ドライカレーへの活用方法を解説しています。
同特集では、緑色の小さなつぶつぶ一つひとつが花のつぼみであり、それらが集まった部分を「花蕾」と説明しています。私たちは、この花蕾と茎の両方を食べているのです。
茎の中心部分は甘みがあり、食感も楽しめるブロッコリーの茎は、外側と内側で食感が異なります。
- 外側:繊維質で硬く、厚い部分は口当たりが悪くなりやすい。
- 内側:比較的やわらかく、みずみずしさと自然な甘みがある。
- 根元付近:太くて硬くなりやすいため、皮を丁寧に取り除くと食べやすい。
環境省の紹介では、茎は漬物などにして生のままでも食べられるとされています。薄く切ればシャキシャキとした食感が生き、加熱すればホクホクした食感に変わります。
つまり、茎は単なる花蕾の付属部分ではありません。食感や味わいの異なる野菜の一部として、独立した料理にも活用できます。
【栄養成分を比較】ブロッコリーの茎と花蕾のカロリー・食物繊維・ビタミン
ブロッコリーの茎の栄養を調べる際に、まず確認したいのが文部科学省の「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」です。
同成分表では、ブロッコリーの食品データとして「花序・生」と「花序・ゆで」が収載されています。以下は、可食部100g当たりの主な栄養成分です。
| 対象・状態 | エネルギー | 食物繊維総量 | ビタミンC | β-カロテン | 葉酸 |
|---|---|---|---|---|---|
| 花序・生 | 37kcal | 5.1g | 140mg | 900μg | 220μg |
| 花序・ゆで | 30kcal | 4.3g | 55mg | 830μg | 120μg |
| 茎単独 | 独立した掲載値なし | 独立した掲載値なし | 正確な比較値なし | 正確な比較値なし | 正確な比較値なし |
出典:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」。数値は可食部100g当たり。β-カロテンは成分表の記載値です。茎の数値は花序の数値から推定していません。
ここで大切なのは、表の数値を茎の栄養成分と混同しないことです。例えば、生の花序に含まれる食物繊維5.1gという数値は、茎だけの含有量を示したものではありません。
また、ゆでた花序ではビタミンCが140mgから55mgに変化しています。これは、生とゆでの食品データを比較する際に、加熱や水分量などの調理条件を考慮する必要があることを示しています。
茎のビタミンCとβ-カロテンはどれくらい?茎にもビタミンCとβ-カロテンが含まれていることは、公的機関の情報でも紹介されています。
農林水産省の「ブロッコリーを使った達人レシピ」では、茎には花蕾以上に多くのビタミンCやカロテンが含まれると説明しています。一方、環境省の食品ロス削減特集では、茎には花蕾と同じくらいビタミンCやβ-カロテンが含まれると紹介しています。
両者は比較の表現が異なりますが、共通しているのは、茎も栄養を含む食用部分として評価されている点です。部位別の厳密な含有量や比率を断定するのではなく、茎にも栄養があると理解するのが適切です。
ブロッコリーの茎の食物繊維とカロリー食物繊維については、茎単独の標準的な含有量を日本食品標準成分表の花序データから求めることはできません。
同様に、茎だけを100g食べた場合の正確なカロリーも、花序の37kcalという数値をそのまま当てはめることはできません。
茎のカロリーや食物繊維量を厳密に知りたい場合は、茎を独立して分析したデータが必要です。インターネット上で見かける「茎100g当たり○kcal」「茎の食物繊維は○g」といった数字については、測定対象や出典が明らかになっているかを確認する必要があります。
【花蕾と茎の違い】栄養・ビタミン・食感を正しく理解する
ブロッコリーの花蕾と茎は、同じ株から成長する部位ですが、植物としての役割も食べたときの特徴も異なります。
花蕾は花になる前のつぼみの集まりブロッコリーの上部にある緑色の部分は、花が咲く前の小さなつぼみが集まったものです。植物学的には花序に当たります。
収穫せずに成長を続けると、つぼみが開いて黄色やクリーム色の花を咲かせます。スーパーで見かけるブロッコリーは、その開花前の状態を食用として収穫したものです。
茎は花蕾を支える部分で、料理への応用範囲が広い茎は花蕾を支える植物の軸に当たります。花蕾と比べて密度のある食感が特徴で、皮を取り除いた中心部分には甘みがあります。
栄養面では、茎にもビタミンCやβ-カロテンが含まれています。ただし、花蕾より必ず多いとすべての栄養素について断定することはできません。
花蕾は小房に分けて料理に添えやすい一方、茎は薄切り、短冊切り、角切りなどに加工しやすく、炒め物やスープの具材として使いやすいという違いがあります。
ブロッコリーは緑黄色野菜に分類されるブロッコリーは、β-カロテンを多く含む緑黄色野菜です。
厚生労働省の栄養指導における分類では、原則として可食部100g当たりのβ-カロテン当量が600μg以上の野菜を緑黄色野菜としています。厚生労働省の健康情報サイト「e-ヘルスネット」でも、ブロッコリーは緑黄色野菜の代表例として紹介されています。
β-カロテンは、体内でビタミンAに変換されるプロビタミンAの一種です。また、ブロッコリーにはビタミンC、葉酸、ビタミンKなども含まれています。
こうした栄養素を無駄なく摂取するためにも、花蕾だけを使って茎を捨てる習慣を見直す価値があります。
【下処理方法】ブロッコリーの茎の硬い皮を簡単にむくコツ
茎をおいしく食べるための要点は、硬い外側と食べやすい内側を分けることです。皮を必要以上に厚くむくと、食べられる部分まで捨ててしまうため注意しましょう。
基本の下処理は4ステップステップ1:花蕾を切り分ける
最初に、小房を一つずつ切り離します。太い茎が残ったら、根元の乾燥した部分を少し切り落とします。
ステップ2:茎を縦半分に切る
太い茎を縦方向に切ると、外側の濃い黄緑色の皮と、内側の白っぽい部分の境目が確認しやすくなります。
ステップ3:硬い皮を取り除く
環境省の食品ロス削減特集では、この境目に沿って皮をむく方法が紹介されています。手で皮をはがせる部分は手でむき、残った硬い部分はピーラーや包丁を使うと効率的です。
ステップ4:料理に合わせて切る
- 浅漬け・和え物:薄い輪切りや半月切り
- 炒め物:細めの短冊切り
- スープ:小さめの角切り
- カレー・チャーハン:5mm程度の角切り
切り方を工夫するだけでも、茎の硬さを感じにくくなります。
茎は花蕾より長めに加熱する茎と花蕾を同じタイミングで鍋に入れると、茎に火が通るまで加熱したときに花蕾がやわらかくなりすぎることがあります。
そのため、茎を先に加熱し、少し時間を置いてから花蕾を加える方法がおすすめです。
農林水産省も、茎は硬い皮を取り除いて食べやすい大きさに切り、花蕾より長めに火を通すことを紹介しています。
また、茎の切り口がみずみずしく、内部に空洞や過度な乾燥がないものを選ぶと、調理後の食感もよくなります。
【おいしい食べ方5選】ブロッコリーの茎を捨てずに活用するレシピ
ブロッコリーの茎は、クセが比較的少なく、さまざまな調味料と合わせやすい食材です。食感を残したい料理と、やわらかく仕上げたい料理を使い分けると、最後までおいしく食べられます。
1. ブロッコリーの茎の浅漬け新鮮な茎の食感を生かしたいなら、浅漬けがおすすめです。
皮をむいた茎を薄切りにし、塩や白だしを加えて軽くもみ込みます。好みに応じて酢や唐辛子を加えると、さっぱりした副菜になります。
環境省の紹介でも、茎を薄く切って漬物にする食べ方が取り上げられています。生で食べる場合は、十分に洗った新鮮なものを使用しましょう。
2. ごま油を使った炒め物細切りにした茎をごま油で炒め、塩、こしょう、しょうゆで味を調えます。にんにくや鶏肉、にんじんを加えても相性がよく、ご飯のおかずになります。
茎を先に炒めてから花蕾を加えると、異なる食感を残しやすくなります。
3. ブロッコリーの茎入りスープ茎を小さな角切りにして、コンソメスープや味噌汁に加える方法です。
煮込むことで茎がやわらかくなり、スープにも野菜のうま味が広がります。玉ねぎやじゃがいもと一緒に煮込めば、ポタージュの材料にもなります。
4. 茎のドライカレー茎を細かく刻んでひき肉や玉ねぎと合わせると、ドライカレーの具材として活用できます。
環境省の特集では、ブロッコリーの茎1本分を5mm角に切り、ひき肉や玉ねぎ、調味料と一緒に電子レンジで加熱するドライカレーのレシピが紹介されています。
細かく刻むことで、茎が苦手な人でも食べやすくなり、普段の料理に自然に取り入れられます。
5. きんぴら・チャーハン・餃子の具茎を細切りにすれば、きんぴらにも応用できます。ごま油で炒め、しょうゆ、みりん、砂糖を加えると、甘辛い味付けで食べやすくなります。
また、細かく刻んでチャーハンや餃子の具に混ぜる方法もあります。普段の料理に加えるだけなので、特別な調理器具を用意する必要もありません。
ビタミンを意識するなら加熱方法にも注目ブロッコリーのビタミンCは水溶性です。長時間ゆでたり、水にさらしたりすると、調理によって失われる可能性があります。
農畜産業振興機構やJAグループの調理情報では、ゆでるだけでなく、蒸す、電子レンジで加熱する、炒めるといった方法も紹介されています。
茎を調理する場合も、必要以上に長くゆでず、蒸し調理や電子レンジ加熱を活用すると、手軽に料理を仕上げられます。
【2026年最新】ブロッコリーの植物学的な特徴と指定野菜への追加
ブロッコリーの茎の栄養を理解するうえでは、野菜としての分類や成り立ちも知っておきたいところです。
アブラナ科に属するヤセイカンランの仲間ブロッコリーは、アブラナ科アブラナ属に分類される緑黄色野菜です。一般的な学名表記はBrassica oleracea var. italicaで、文部科学省の食品成分データベースでは「Brassica oleracea Italica Group」と記載されています。
キャベツなどと同じく、ヤセイカンラン(Brassica oleracea)を原種とする野菜の一つです。地中海東部が原産地とされ、古代ローマ時代のイタリアを中心に食べられ、その後ヨーロッパ各地に広がりました。
和名にはメハナヤサイ(芽花椰菜)、ミドリハナヤサイ(緑花椰菜)があります。食用部分が葉や根ではなく、花蕾と茎であることも特徴です。
独立行政法人農畜産業振興機構が2026年4月に公開した野菜情報でも、ブロッコリーの原産地やヤセイカンランとの関係、日本国内での普及の経緯が紹介されています。
2026年4月から指定野菜に追加2026年のブロッコリーに関する大きな制度上の変化が、農林水産省による指定野菜への追加です。
2026年4月1日から、ブロッコリーは指定野菜に加わりました。
指定野菜とは、消費量が多い、または今後多くなることが見込まれる野菜のことです。生産や出荷の安定を図り、消費者に野菜を継続的に供給するための制度に位置付けられています。
農林水産省の資料によると、ブロッコリーは2025年度まで指定野菜に準ずる野菜として扱われ、2026年4月から正式に指定野菜となっています。
これはブロッコリーの消費拡大や安定供給に関係する制度変更であり、栄養成分が増えたという意味ではありません。指定野菜になったことと、茎が花蕾より栄養豊富かどうかは、別の問題として理解する必要があります。
【ブロッコリーの茎の栄養】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:ブロッコリーの茎は生でも食べられますか?
A1:食べられます。新鮮な茎をよく洗い、硬い外皮を取り除いて薄切りにすれば、浅漬けなどに活用できます。環境省の食品ロス削減特集でも、生のまま漬物にする食べ方が紹介されています。
Q2:ブロッコリーの茎は花蕾より栄養がありますか?
A2:茎にもビタミンCやβ-カロテンが含まれています。農林水産省は花蕾以上、環境省は花蕾と同程度と紹介しています。ただし、文部科学省の日本食品標準成分表では茎単独の数値が掲載されていないため、すべての栄養素について茎の方が多いとは断定できません。
Q3:ブロッコリーの茎100g当たりのカロリーや食物繊維はどれくらいですか?
A3:日本食品標準成分表では茎単独のカロリーや食物繊維量は独立して示されていません。生の花序は100g当たり37kcal、食物繊維総量5.1gですが、これは茎の数値ではありません。茎の正確な数値を知るには、茎だけを対象にした分析データが必要です。
ブロッコリーの茎は、花蕾と同じく食べられる部位です。硬い外皮をむけば、内側にはみずみずしさと自然な甘みがあり、炒め物やスープ、浅漬け、ドライカレーなど幅広い料理に使えます。
栄養面では、茎にもビタミンCやβ-カロテンが含まれることが公的機関から紹介されています。一方、カロリーや食物繊維を含めた茎単独の正確な成分値は、花序のデータと区別して考える必要があります。
【プロの結論】
ブロッコリーの茎を食べる際に大切なのは、花蕾との栄養の優劣だけにこだわらないことです。茎は茎ならではの栄養と食感を持つ食用部分であり、捨てずに使うことで一株をより無駄なく活用できます。
特に、硬い皮を適切に取り除き、料理に合わせて切り方と加熱時間を変えることが、おいしく食べるための基本です。ビタミンCを意識するなら、蒸し調理や電子レンジ加熱なども取り入れるとよいでしょう。
2026年4月から指定野菜となったブロッコリー。日々の食卓で花蕾だけでなく茎も上手に取り入れ、栄養と食材のおいしさを余すことなく楽しんでみてください。